このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。
2005年06月28日
RSS活用によるコーポレート・コミュニケーションのインテグレーション
マーケティングユニット 棚橋
RSSとはRDF Site Summary、あるいはRich Site Summary、またはReally Simple Syndicationとも呼ばれる、サイトの更新情報(の要約)をXML形式で記述するフォーマットの一種です。
現在、RSSは、Blog(ブログ)コンテンツの流行を機に、情報配信の新たなスタイルとして定着しはじめています。
さて、ビジネスサイトでのRSSの活用メリットとしては、他でもよく言われるような、RSSリーダーを活用した顧客囲い込み型のマーケティング・メディアとしての利用やRSS広告など、メールに続くインターネットでのプッシュ型の情報発信メディアとしての特長を活かしたメリットが考えられています。
もちろん、そうしたメリットもRSSにはありますが、何よりRSSを特徴づけているXML形式のフォーマットである点に着目すれば、企業内のデータ統合や統合的な文書管理への活用という側面でも着目できるのではないかと思います。
恒久リンク | コメント [0件] | 関連情報(トラックバック) [0件]
2005年06月24日
サブドメインとSEO対策
マーケティングユニット 棚橋
サブドメインとは、ドメイン名(例えば、mitsue.co.jpなど)の1階層下にくるドメイン(例えば、marketing.mitsue.co.jp)のことです。
通常のドメインと異なり、ドメイン名割り当て機関に申請する必要がなく、サーバ管理者が設置することによって使えるようになります。
このサブドメインをうまく利用することでSEO対策の効果を高めることが可能です。
この「実践!Webマーケティング:Blog」もmarketing.mitsue.co.jpというサブドメインを使っています。このBlogと本体サイトであるwww.mitsue.co.jpで、同一のキーワードに関するGoogleでの表示順位を継続的に調べていると面白いことがわかります。
まず、このBlogで特定のキーワード(例えば「特性要因図」)の表示順位を上がることを意識した記事を書くとします。
記事をPublishして数日たつと、Googleの検索結果の1ページ目ないしは2ページ目に表示されるようになります。
しかし、それからさらに数週間たつと、表示順位が突然下がる場合があります。
100位まで探しても見つからないくらいに。
何が起こったのか? BlogでのSEO対策は効果が長続きしないのか?
そうではありません。
実はBlogでの表示順位がそのままwwwのほうに引き継がれるのです。
例えば、下の表の実例のように。
例1:キーワード=ブランド マーケティング
ドメイン | 2005/4/16 | 2005/6/11 |
marketing.mitsue.co.jp | 14位 | 100位圏外 |
www.mitsue.co.jp | 100位圏外 | 14位 |
例2:キーワード=ブランド ポジショニング
ドメイン | 2005/4/27 | 2005/6/11 |
marketing.mitsue.co.jp | 2位 | 13位 |
www.mitsue.co.jp | 45位 | 1位 |
恒久リンク | コメント [4件] | 関連情報(トラックバック) [2件]
2005年06月21日
『コーポレート・レピュテーション』
マーケティングユニット 棚橋
最近、企業のレピュテーションをテーマにした本を書店でよく見かけます。
コーポレート・レピュテーションとは、企業の評判や名声を指します。もちろん、評判には、いい評判もあれば、悪い評判もあり、そうした評判は間違いなく企業の経営に影響を及ぼすものです。
コーポレート・レピュテーションはコーポレート・ブランディングやCSR(企業の社会的責任)とも非常に関係深いものです。
そのため、企業はレピュテーション・リスクをできるだけ少なくし、逆にレピュテーション資産を最大限に伸ばすためのレピュテーション・マネジメント(※)が必要になってきています。
本書『コーポレート・レピュテーション』(チャールズ・J・フォンブラン、セス・B・M・ファン・リール著、東洋経済新報社刊)では、レピュテーションを企業の資産として捉えた上で、その重要だが定義のむずかしい企業資産をいかに構築するか、管理するかという視点から検証を行っています。
※「レピュテーション・マネジメント」は株式会社ブライト・ウェイの登録商標です
恒久リンク | コメント [2件] | 関連情報(トラックバック) [1件]
2005年06月17日
サイトトラッカーの活用法
マーケティングユニット 棚橋
サイトトラッカーは、アスキーソリューションズ社のアクセスログ解析ツールです。
私たちがクライアント様のアクセスログ解析コンサルティングサービス、スパイラル ログ解析(定点観測レポート)をご提供させていただく際にも、主にこのサイトトラッカーをベースに、分析・改善提案のコンサルティングを行うことが多いです。
サイトトラッカーを使うメリットは何よりその使い勝手の良さです。
サイトトラッカーのユーザーインターフェイスは、ユーザビリティ診断などのサービスを提供させていただいている私たちの目から見ても、他のアクセスログ解析ツールに比べて、よくできていると思います。
ドリルダウン形式で、大まかな情報から詳細の情報へと見ていくことができる点など、感覚的に使いこなせることが最大のメリットですし、機能的にも他のツールと遜色ありません。
※サイトトラッカーについて詳しくお知りになりたい方はオンラインデモをご覧ください。
恒久リンク | コメント [0件] | 関連情報(トラックバック) [0件]
2005年06月14日
編集会議
マーケティングユニット 棚橋
前回は「WebマーケティングにおけるWebコンテンツの役割」と題して、マーケティング=「売れる仕組み」をつくる上でのWebコンテンツの役割と継続的なコンテンツ運用の重要性について取り上げました。
「Webサイトは運用」が重要と言われますが、まだまだ、その理由を論理的に説明できるほど、十分に理解しているWebマーケターの方は少ないように思います。
Webサイトで運用が重要な理由を整理すると、以下の3つが挙げられます。
これも以前(顧客育成のシナリオ)に取り上げたことですが、売上をあげることを論理的に考えれば、下記のように売上の増減を左右する要素のひとつひとつについて、いかに改善するかを考えなくてはなりません。
売上 = 顧客数 × 商品単価 × 顧客の一回購入個数 × 顧客の購入頻度
Webサイトの「新規ユーザー数/リピートユーザー数」を増やすことは、「顧客数」という要素の前提となる見込み客を増やすことにもつながりますし、「企業、ブランド、商品の理解」を向上していくことは「顧客の購入頻度」という要素の前提となるユーザーの興味喚起、欲求喚起、制約条件の解除(AIDMAの法則におけるI、D、M)にもつなげられます。
こうしたWebマーケティングの目的を明確にし、評価基準としての目標も定めた上で、Webコンテンツの運用を行なっていくことが、何よりWebマーケティングで成果をあげるためには重要なことです。
しかし、実際にこうしたWebマーケティング施策としてのWebコンテンツ運用を目的を見失うことなく継続的に運用していくには、それなりの仕組みがなければうまくまわりません。
そのために必要な仕組みの1つが定期的に行う編集会議です。
恒久リンク | コメント [0件] | 関連情報(トラックバック) [0件]
2005年06月10日
WebマーケティングにおけるWebコンテンツの役割
マーケティングユニット 棚橋
Webサイトにとって忘れてはならない重要な要素がコンテンツです。
結論を先にいうと、前提条件としてWebサイトの作りがよければ、あとはWebマーケティングの成否を左右するのがWebコンテンツだといえます。
どんなにWebサイトの作り(ユーザビリティやアクセシビリティ、SEO対策、Web標準準拠、etc.)がよくても、肝心の中身のコンテンツが充実していなければ、ユーザーを満足させることはできません。サイトの作りをよくするのがユーザーの不満足を削減するための必要条件だとしたら、ユーザーの必要とする情報を伝えるコンテンツを充実させることはユーザー満足度向上のための十分条件といえるでしょう。
よくできたWebサイト上で見込み客を含む顧客との関係性を改善することを考えるなら、企業側の論理だけで出したい情報だけを掲載するのではなく、ユーザーをもてなし、ユーザーの問題解決を手助けするような情報提供により、ユーザーの満足を高めることも重要でしょう。
Webサイトをマーケティングツールとしてとらえる時、Webコンテンツはまさにお客さまをもてなす営業マン、店員です。
その営業マン、店員がこちらの要望や事情に興味も示さずに、売りたい商品の話ばかりしてたらどうでしょう?
会社がお客さまや社会のためにどんな取り組みをしているか、どんな人がサービス提供をしてくれるのかも知っておきたいのではないでしょうか?
商品に関しても、こちらの質問にも丁寧に答えてくれたり、どんな用途で使え、具体的にどんなメリットがあるかとか、実際にどんな人が使っているかなどの情報も欲しいのではないでしょうか?
あるいは、それがレストランなどであれば、訪れるたびに旬の食材を使った料理が用意され、それを丁寧にすすめられたり、何気ない気配りのきいたサービスを受けたりすれば、また来たいと思うのではないでしょうか?
Webコンテンツの役割も同じです。
商品のカタログ的な説明をしているだけでは、お客さまの満足は得られません。
お客さまや社会に対する会社の取り組みを伝えるコンテンツ、サービス提供に関わるスタッフのパーソナリティが伝わるコラムやBlog、商品に関するよくある質問や活用例、利用しているお客さまの声などのコンテンツがお客さまの興味をひき、信頼を得るためには必要でしょうし、また、継続的にお客さまとのコミュニケーションをはかり、満足、信頼を高めることを考えれば、いつ来ても興味をひく新しい情報が発信されているようなコンテンツの更新頻度も必要です。
恒久リンク | コメント [0件] | 関連情報(トラックバック) [1件]
2005年06月07日
調査・分析スキルとしての「聞く力」と「伝える力」
マーケティングユニット 棚橋
以前、「アクセスログ解析をいかに活用するか」でも触れましたが、調査・分析を行うのは、あくまでその後に改善計画を立て、改善施策を実施し、具体的な改善の成果を導きだすためです。
しかし、多くの調査・分析が「調査・分析する」ことそれ自体が目的となってしまったり、調査の仕方にばかり重きが置かれ、改善のための「洞察」をもたらす分析がおろそかになってしまっていたりするのを見ると、嘆かわしい気持ちになります。
「データ」と「情報」は異なるものです。「事実」としてのデータを収集するスキルとともに、収拾したデータを分析して有益な情報としての洞察を得るスキルはまったく異なるものです。もちろん、両者ともスキルであり、修練により身に着けることが可能な技術です。
これまでも何度かご紹介してきたように、私たちはWebサイトを使ったマーケティング・コンサルティングを行う際に、現状の事実を客観的に捉え、「あるべき姿」と「現状の事実」とのギャップの中に潜む問題解決策を抽出する、下記のようなサービスをご提供させていただいております。
その際、調査・分析の視点としては、下図のような3C分析を元としたシックスシグマのフレームワークを、「事実」を捉え、そこから「洞察」を得るスキルのベースとして用いています。
※シックスシグマのフレームワークを用いた現状把握について詳しくお知りになりたい方は、「インターネット戦略の構築法:現状の把握」を参照ください。
しかし、実のところ、こうしたスキルを得るのはしっかり学びさえすれば、それほど苦もなく身につけられるスキルです。
それよりも調査・分析を行う者にとって最も重要で、身に着けることがむずかしいスキルは、
「自分が何を目的として調査・分析を行うのかを正しく定義する」スキル
「クライアントおよびパートナーに対して、実行する調査・分析によって何がもたらすかを正しく伝え、合意を得る」スキル
の2つのスキルです。
シックスシグマのDMAIC手法で、プロセスの最初に置かれている「定義(Define)」を実際に可能にするのがこの2つのスキルだといえます。
恒久リンク | コメント [0件] | 関連情報(トラックバック) [0件]
2005年06月03日
定期的なアクセスログ解析による検証
マーケティングユニット 棚橋
Webマーケティングを実施するにあたって具体的なアクションプランを策定するためには、現状の事実を客観的に捉えることを怠っていては解決にいたる道は開けません。
それは、問題解決策とは「あるべき姿」と「現状の事実」とのギャップの中に潜んでいるものだからであり、私たちはWebマーケティングの実践において、常に「あるべき姿」と「現状の事実」の両方を意識した上で、そのギャップを埋めることをGOALとして、具体的なアクションプランを考え、実行していく必要があります。
これまでも繰り返し述べてきたように、Webマーケティングの実践において、経営的効果に直結する施策を実行するためには、「あるべき姿」と「現状の事実」のギャップを認識し、それを埋めるための具体的な施策を計画的に実行していくためのマーケティングPDCAをまわす仕組みが必要となります(参考:「コンテンツマネジメントシステム(CMS)」)。
さらにPDCAサイクルというと、どうしても計画(P)~実行(D)~測定・分析(C)~管理(A)といった1回分のサイクルを思い浮かべてしまいがちですが、実際にはビジネスを行う上ではこうしたサイクルを定期的にまわしながら、継続的改善を行っていくのが本来の姿です。前年度と比較して今年度をもっとよくしようという改善活動の中には、さらに細かなクォーター別の目標、月別の目標を立てることがよくあるように、年間のPDCAの中には、クォーター単位でのPDCA、月単位でのPDCAをまわし、その小さなPDCAがさらに大きなPDCAをまわす原動力となります。
そうした意味で、私たちのWebマーケティング・サポート・サービスの中でも、お客様からご好評いただいているのが、スパイラル ログ解析(定点観測レポート)です。