このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。
2006年11月17日
期待とエラー
マーケティングユニット 棚橋
以前、紹介したユーザビリティに関する国際規格の1つであるISO9241には、「対話の7原則」というものが定められています。
■ISO9241の「対話の7原則」
以下の7項目がその内容です。
- 仕事への適合性
- 自己記述性
- 可制御性
- 利用者の期待への一致
- 誤りに対しての許容度
- 個人化への適合性
- 学習への適合性
ここで注目したいのは、「4.利用者の期待への一致」と「5.誤りに対しての許容度」です。簡単に言ってしまうと、ユーザーが期待した(であろう)ものに応えられるようにしなさいということと、応えられなかった場合にもきちんと対処法を想定して実装しておきなさいということだといえると思います。
例えば、ナビゲーションメニューのラベリングと、そのメニューをクリックして開いたページの内容は一致していなくてはならないということがいえると思います。これも「4.利用者の期待への一致」の原則の具体的な例にあげられます。ラベリングの内容とページ内容が一致するためには、ラベリングそのものがわかりやすく、かつ曖昧さをできるだけ排除することが望ましいですし、それには言葉そのものをわかりやすいものにすることと、きちんと文脈をつくってあげることも必要かと思われます。
「5.誤りに対しての許容度」に関しては、ユーザーが入力するフォームなどで、エラー対応が必要であるというだけでなく、そのエラーメッセージがユーザーがある期待に基づいて行なった行動に対して、ユーザーにわかるように何が間違ってしまったか、つまりユーザーの期待とシステム側の意図にどんなギャップがあったかを示してあげることが必要だということができると思います。