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実践!Webマーケティング:Blog

このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。

2005年04月28日

Webユーザビリティに対する大きな誤解

マーケティングユニット 棚橋

マーケティングにおいて、ターゲティングという言葉はよく聞かれると思います。ターゲティングというと少々むずかしい気もしますが、ようは「誰に売るのか」「誰に使ってもらうのか」ということです。物を売るという活動において、誰に売るかもわからずに売ろうと考えるのは、実は、歴史的に見ればきわめて異常なことです。
大量生産の時代、マス・マーケティングの時代でこそ、誰に売るかをそれほど考えなくても、作れば物は売れましたが、実は、そんな売り方をしていたのは、せいぜい、この100年くらいのことだということが歴史を振り返ればわかります。そんな特異な時代ももはや終わりかけています(いや、すでに終わっているでしょうか?)。ワン・トゥ・ワン・マーケティングは一時の流行のようにあまりその言葉自体は聞かれなくなりましたが、マーケティングのポイントがその言葉が話題になっていた時以上に、顧客との関係性(リレーションシップ)の構築・維持へ重点が移動してきています。
売る相手(ターゲット)が誰かがわからなければ、もはや、期待する売上を上げるのはむずかしい時代になりました。私たち、Webマーケティングに関わる人間にとっても、誰に対してマーケティング・コミュニケーションを行なうかを考えずに、成果をあげることはむずかしくなっているように思います。

そこで私たち自身、1つ見直さなくてはいけないのがWebユーザビリティについての考え方です。

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2005年04月26日

価値基準の3つの基本戦略

マーケティングユニット 棚橋

価値基準とは、マイケル・トレーシーとフレッド・ウィアセーマによる、成功する企業が顧客に対する価値を創造する方法のことで、以下の3つが基本戦略として特定されています。

「製品リーダーシップ」は、たえず最新の製品・サービスを提供する価値基準のことで、この戦略をとる企業はイノベーション追求型で、常に新しい製品・サービスで高い価値を提供しつづけることにより競合他社が模倣しにくい状況をつくります。
「卓越したオペレーション」は、生産方法や販売方法の改善を目指すアプローチで、例えば、日本企業であれば、トヨタ生産方式をもつトヨタやセブンイレブンジャパンなどがこの戦略をとる企業と考えられます。
「顧客との親密さ」は、顧客ロイヤルティを築き上げることに焦点をあてた戦略で、高い顧客ロイヤルティにより、顧客との親密さを強化し、販売力を高めるとともに、顧客からのフィードバックを改善に活かすアプローチです。この場合は、顧客のもつ高いロイヤルティ自体が競合他社に対する優位性となり、他社ブランドへの乗換えが生じにくい状況を生み出すことになります。

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2005年04月22日

USP(Unique Selling Proposition)

マーケティングユニット 棚橋

USP(Unique Selling Proposition)とは、日本語で言えば「独自の売り」となるでしょうか。
マーケティングにおいて、USPをもつことは、競合他社との差別化、市場での競争優位性につながる重要なポイントです。また、ブランドにおいてもUSPは欠かせないものです。「独自の売り」を持たないブランドは、ブランド・エクイティティにつながるブランド知識を顧客の心の中に形成するのはむずかしいからです。あのブランドの特長は?と訊かれて、すぐに答えが見つからないようでは、ブランドのUSPが顧客に共有されていないか、そもそも、USPが存在しないかのいずれかということになるでしょう。

さて、そうは言っても簡単に自社のUSP、製品のUSP、ブランドのUSPを創り出せるわけではありません。まず、USPが何かを明確にすることからはじまり、USPがなければあらためて自社にあったUSPを創り出さなくてはなりません。USPらしきものがあった場合でも、それを市場浸透しなくてはなりませんし、また、USPが競争優位性を持続するよう市場動向を見据えながら社内での継続的改善を図っていかなくてはなりません。ここでもマネジメントシステムの基本であるPDCAサイクルを意識してマネジメントを行うことが成果への近道となるはずです。

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2005年04月19日

ベンチマーキングによる競合ブランドのポジショニング調査

マーケティングユニット 棚橋

前回(ポジショニング・マップ 相違点と類似点)に引き続き、マーケティングにおけるポジショニングについて考えてみたいと思います。
ポジショニングを策定する際には、現状のブランドの状況を知ることが重要なタスクとなります。現状把握の手法としては、顧客、自社、競合他社の3つの視点で分析を行なう3C分析が一般的です。

ブランディングを考える際にも、競合他社ブランドのポジショニングを知ることが、標的市場の顧客の心や事情を把握すること同様に、自社ブランドのポジショニングを考えるためには有効です。

ブランディングとは、ターゲットとする顧客との間で、いかにブランド価値を共有していくかがポイントとなる活動です。
この場合、価値は基本的には差異から生まれます。
(「すべては対立として用いられた差異にすぎず、対立が価値を生み出す」フェルディナン・ド・ソシュール、言語学者、1857~1913、スイス)
顧客にとって意味のない差異は価値とはなりませんが、顧客が競合ブランドに感じるメリットあるいはその逆の不満に対して有効な差異を示すことができれば、競争優位性を生み出すブランドポジショニングを築くことができます。
そのためにも顧客の立場で競合他社のブランド・ポジショニングを知ることは必要なことです。

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2005年04月15日

ポジショニング・マップ 相違点と類似点

マーケティングユニット 棚橋

自社あるいは自社製品のポジショニングを決める際、競合他社(あるいは競合ブランド)との、相違点と類似点を明確にするためにポジショニング・マップを作成することがあります。ポジショニング・マップとは、競合他社との差別化のポイントを明確にするため、独立した2つの評価点を縦軸と横軸におき、競合他社との関係において、自社の市場優位性を検討するツールです。例えば、横軸に「価格」、縦軸に「品質」などを置くことで、自社と競合他社との関係(「自社は競合他社に比べて、価格はやや高いが、品質では競合他社に大きな優位性を持っている、など)を、分析するために用います。

以前(ポジショニングの明確化)にも書きましたが、ポジショニングとはターゲットとする「人の心にどうポジショニングされたいか?」、自社および自社製品を「どんな風に覚えてもらいたいか?」を決定することで、その後のマーケティング・プログラムやブランド・コミュニケーションの方向性を明確にする意味で非常に重要なプロセスです。
当然ながら、ポジショニングはターゲット・ユーザーにとって価値をもつ違いでなければ、意味を成しません。例えば、ある商品に対して必要な要件を満たしているかを重視し、価格をそれほど気にしないターゲットに対して、価格優位性によるポジショニングを行なっても、肝心の必要な要件を満たしていなければ、市場での競争には勝てません。そのため、ポジショニング・マップを作成する前には、競合他社に関する調査だけでなく、顧客が何を望んでいるかという視点での調査も同時に必要となります。ここでは3C分析が有効です。また、下図のようなシックスシグマの手法における分析のフレームワークも有効でしょう。

顧客が望んでいるものは何かを捉え、また、様々な顧客の要求を品質機能展開(QFD)などを用いて重要度を分析しておくことが、ポジショニング・マップを作成する前の準備として必要です。

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2005年04月12日

『企業とは何か』とCSR、コーポレート・ブランド

マーケティングユニット 棚橋

P.F.ドラッカーの『企業とは何か』(ダイヤモンド社刊)を読んでいます。いまから60年近く昔、1946年に書かれた本ですが、ここですでに、ドラッカーが現在、話題のCSR(Corporate Social Responsibility)=企業の社会的責任に通じる視点で、企業をとらえているのがわかります。

ドラッカーはこの本で、GMを分析対象として、社会的組織としての企業の分析を行なっています。その際、ドラッカーは「企業の本質と目的は、経営的な業績や組織の構造ではなく、企業と社会の関係、および企業内の人間との関係にある」とし、以下の3つの側面からの分析を行なっています。

すこし乱暴に要約してしまえば、1番目は個別の組織としての企業内部の分析。2番目と3番目はともに社会の代表的組織としての企業を、前者は企業内部が要求、外部に提供するものが社会の理念や目的とそごをきたさないかという意味での分析だとすれば、後者は産業社会において社会に財を生み出すものとしての企業を分析するものだといえます。特に2番目の視点が現在のCSRの考え方を先取りした視点だといえるのではないでしょうか。また、3番目の視点は、自社の利益をあげるだけでなく、社会の財、価値を生み出す存在として企業をとらえたドラッカーの独自の視点としてあらためて注目すべきことであるように思います。

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2005年04月08日

『インサイト』、『心脳マーケティング』

マーケティングユニット 棚橋

マーケティングの分野では、最近、マーケティングと心理学を融合した消費者行動学、消費者心理学に注目が集まっています。
そうした中、『インサイト』(桶谷功著、ダイヤモンド社刊)、『心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす』(ジェラルド・ザルトマン著、ダイヤモンド社刊)という2つのビジネス書が最近、刊行されています。
今回は、この2つの本について紹介しながら、マーケティングの基本である「顧客を捉える」方法に関する新しいアプローチについて、すこし考察してみたいと思います。

『インサイト』は、一言でいえば、消費者のココロやホンネを捉えたインサイト(コンシューマー・インサイト)に焦点をあてた本です。インサイトとは、消費者が思わず買いたくなるような「心のホット・ボタン」で、売れる商品になるか、売れない商品で終わるかを左右するポイントです。
消費者のインサイトを見つけ出す消費者行動学に基づくマーケティングの分析では、前回の記事で紹介したABC分析に代表されるような、顧客を理性的な意思決定者として捉え、科学的で統計を駆使した顧客分析を行なう従来のマーケティング分析とは180度逆のアプローチで、顧客を情緒的、感性的な生き物として捉えます。その上で消費者自身でも気づかない、意識していないような、それでも「いいな、これ」と手を伸ばしてしまうようなインサイト(「心のホット・ボタン」)を探り当てます。
本書で、著者は、インサイトの見つけ方、活かし方だけでなく、実際のマーケティング・プランに落とし込む手がかりについてもハーゲンダッツやシックの事例で紹介しています。

一方の『心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす』は、顧客(そして、マーケター)の行動における判断の構成要素を「心-脳-体-社会」のつながりによる三次元ピラミッドで捉えます。このピラミッドにおいては、外的な要因で1つの構成要素(例えば、心)が変化すれば、他の構成要素(脳、体、社会)も変化を受けると考えられています。「人間のコミュニケーションの大半(80%とも言われる)が、非言語的な手段で行なわれ」、また、「思考や感情、学習の95%は無意識の心の中で起きている」背景には、この「心-脳-体-社会」による三次元ピラミッドの存在を見て取れます。
この本でも『インサイト』同様に、顧客を理性的な生き物であると同時に、情緒的な生き物として捉えています。ただ、この本ではさらに踏み込んで、フォーカス・グループ・インタビューやアンケート調査などの一般的なマーケティング・リサーチ手法では捉えることのむずかしい顧客の理解を深める具体的な手段として、ZMET調査(ザルトマン・メタファー調査法)やレスポンス・レイテンシー調査、ニューロ・イメージング調査などの新しいリサーチ手法を紹介しています。

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2005年04月05日

ABC分析

マーケティングユニット 棚橋

ABC分析は、1951年、米国ゼネラル・エレクトリック社のH.F.ディキー氏によって開発された分析手法で、重点分析とも呼ばれます。ABC分析は、在庫管理や販売管理に用いられることが多く、管理対象を売上高や在庫の個数の多い順に、A、B、Cの3つのランクに分類し、それぞれ管理が可能な状態(Aを優先的に管理する)をつくります。
ツールとしては、下のようなパレート図が用いられます。
パレート図

ABC分析の分析手順を書くと、
(1)商品を売上高の大きい順に並べる
(2)各商品の売上構成比を計算する
(3)縦軸に売上構成比率を、横軸に商品構成をとってパレート図を作成
(4)パレート図からABCのランクごとに商品を分類
(5)Aランクの商品を重点的に管理する
となります。

在庫管理の視点で考えれば、ABC分析を行なうことで、売上高の高いAランクの商品は常に在庫切れのないように管理し、逆にCランクの商品はいかに在庫を余らせないか管理するということになります。

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2005年04月01日

ビジネスBlogとコミュニケーションの本質

マーケティングユニット 棚橋

ビジネスBlogが話題です。WebマーケティングにBlogを活用したいという相談を数多く受けている状況です。
Blogの3つの要素として、

があるという話は他でも数多く語られていて、「コメントやトラックバックは、お客様の声を集めるための手段の1つとしてビジネス、マーケティングに有効だ」という意見や、その一方で、「コメントやトラックバックを受け付けてしまうと、それへの対応にかかる業務負担を増やすことにつながる可能性もある」といった意見がさまざまなところで語られています。
こうした意見は確かにBlogに関して的を得たものでありますが、より根本的なレベルでは、そもそも、WebでのコミュニケーションをBlog並みに活性化できている企業であれば、Blogというツールの登場以前にある程度はクリアしている問題であり、また、すでにWebを重要なマーケティングツールとして位置づけていたのではないかと思います。
その意味で、こうしてBlogのビジネス活用が話題になること自体、Webマーケティング、Webコミュニケーションがビジネスの効果をあげるという意味で、より一般的に認知されてきたのだろうという感想を持ちます。

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