このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。
2005年10月18日
SEOチューニング
マーケティングユニット 棚橋
弊社では、SEO効果の高いWebサイトの構築のために、マトリックス型Web構築サービスをご提案させていただいております。
マトリックス型Web構築サービスは、既存サイトへのSEOチューニングにより検索エンジンでの表示順位を向上するサービスとは異なります。
マトリックス型Web構築サービスでは、ユーザー視点に立ったWebサイトの情報設計、Web標準に準拠した形での実装により、Webサイトを構築し直すことにより、SEO対策に有利な基盤を構築することを目指します。
SEO対策においては、<title>タグの最適化、リンク先のページの<title>タグと一致したキーワードを含むアンカーテキストの適切な配置(例えば、パンくずリストの設置)、見出しタグや<strong>タグによるキーワードの強調などが重視されますが、こうした項目は、きちんと設計、実装されたWebサイトであれば標準的に満たしているとも言えます。
また、これらの項目は、ユーザビリティーを考える上でも欠かせない項目でもあります。
その意味で、SEO対策が必要とされるサイトの多くは、こうした基本的な部分に問題を抱えているとも言えます。
こうした問題を放置したまま、応急処置的にSEOチューニングのみを施してしまうと、サイト全体のトーン&マナーが崩れてしまったり、ユーザビリティー面での改善がなされないためにサイトを訪れる人は増えたが多くのユーザーが1ページのみの閲覧で離脱してしまうといった、あまり良い結果を生み出さないことが往々にしてあります。
そのため、弊社では、SEO対策のお話をいただいた際には、現状のWebサイトを見させていただいた上で、必要があればマトリックス型Webへのリニューアル構築をご提案させていただいております。
私たちが、いわゆるSEOチューニングを行うのは、そのあとになります。
最近、私たちが構築のお手伝いをさせていただいたWebサイトの1つに、先のマトリックス型Webの考えに基づいて、情報設計に時間をかけ、Web標準に準拠した形で実装させていただいたものがあります。
このWebサイトもリニューアルから数週間は、いくつか必要なキーワードで上位表示が行われていない状態でした。
しかし、その後、課題として上位表示が必要であることがわかったキーワードについても、少しずつ<title>タグ内のキーワードや本文内のキーワードにチューニングをかけたことで、検索エンジンでの表示順位を上げることに成功しました。
それも、しっかりした情報設計が行われており、かつ、それがWeb標準に準拠した形で実装されているという基盤があってのことだと思います。
また、そのWebサイトは、さらにBlogツールをベースにCMS機能をサイト全体に導入していたこともあって、SEOのチューニングを行う際にも、専門のHTMLコーダーの手を借りずに行うことができました。
そのこともリニューアルから1ヵ月の間に素早くSEOチューニングが行うことができた背景となっていたのではないかと思います。
この例のように、最初にしっかり先(運用)のことを計画しておけば、SEO対策に限らず、Webサイトの改善は、そうでない場合に比べて随分、楽に行えるはずです。
さまざまな事情で、リニューアル・プロジェクトに十分な時間がかけられないこともありますが、あとで根本的な修正を行わなくてはならなくなることを避けるためにも、最初にしっかりとした計画、設計に時間をかけることをおすすめします。
さて、次回は「意図と分析」と題してお送りします。