このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。
2005年07月19日
SEO対策と用語集コンテンツ
マーケティングユニット 棚橋
SEO対策は、いまやWebマーケティングの基本として捉えられていますが、より本質的な観点で捉えれば、必要な情報を探しているユーザーがいかに検索エンジン経由で対象となる情報コンテンツにアクセスしやすくするかという対策だといえます。
ところが、どうしても企業側はそうしたユーザー視点を忘れて、Webサイトへの集客を伸ばすためにと、企業本位のキーワードでの上位表示を狙い、特定のキーワードの上位表示競争ばかりが激化したりします。
その結果、ユーザーが本当に欲しい情報を見つけることが困難な状況が生まれることもあるでしょう。
本来、マーケティングそのものが顧客志向であるにもかかわらず、Webマーケティングだけがユーザー志向でなく、企業本位の考え方でうまくいくはずがありません。
本当にSEO対策でWebサイトの集客力を高めたいと考えるなら、ユーザーがどんな情報を必要としているかを捉えた上で、本当にユーザーのニーズを満たすようなコンテンツを準備し、その上でそのコンテンツに対して適切なSEO対策を行うことが必要だと思います。
では、どんな情報がユーザーのニーズを満たし、さらに企業側にとってWebサイトのアクセス数を高めることにつながるのでしょうか?
SEO対策には用語集コンテンツが効く、ということがよくいわれます。
例えば、Overtureのキーワードアドバイスツールで、「用語集」を含むキーワードの検索件数を調べてみますと、下記のような結果がでます。
※検索件数は2005年5月の1ヶ月間での数値
これだけの数のユーザーが用語集コンテンツを必要として探しているのです。
当然、上記のようなキーワードでSEO対策を行えば、Webサイトのアクセス数を向上することは可能でしょう。
しかし、実際にユーザーが必要としているのは、それぞれの用語集に、自分が本当に探している用語の解説があるかどうかです。
「用語集」というキーワードでSEO対策を行っても、その用語集にユーザーが探している用語の解説がなければユーザーの要求を満たすことはできません。
反対に、ユーザーの要求を満たす用語の解説があり、さらにその用語に関連するより深い情報を提供する記事コンテンツが用意され、そこへのリンクがはられていれば、ユーザーの満足度をさらに高めることも可能でしょう。
実際に、みなさんの中でも自社サイトのアクセスログ解析で、検索キーワードの解析結果を見た際に「○○とは」という検索フレーズを見つけた経験がある方もいるのではないかと思います。
これもユーザーが自分の知らない用語の意味を検索エンジンを通じて探す傾向があることをよく示しているものといえます。
とはいえ、自社のWebサイトで用語集コンテンツをつくるのはどうか、と疑問をもたれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、自社の信頼を高める意味でも、むずかしい用語に関しては用語集などの形でユーザーへの情報提供を行うことは有効です。
それがより専門性をもった用語集であれば、自社のノウハウ、ナレッジを外部に対して示す手段ともなり、ブランド力を高めることにもつながるはずです。
ぜひ一度、用語集コンテンツの導入を検討されてみてはいかがでしょうか?
次回は情報デザインとデータベース設計と題して、Blog時代のWebサイトにおける情報デザインのあり方について考えてみたいと思います。お楽しみに。