このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。
2005年10月25日
意図と分析
マーケティングユニット 棚橋
アクセスログ解析ツールのデータを前にして、何をどうしたらいいかわからなくなることはないでしょうか?
この解析データを元に分析してくれと指示されて、何をどう分析してよいか途方に暮れた経験はないでしょうか?
あるいは、また、Webサイトのリニューアルを考える際に、コンテンツの構成はこれでいいか、ユーザーのページ遷移はこれがベストなのかと迷ったこともあったりするのではないでしょうか?
そんな時、あなたならどうしていますか?
分析を行う際に、当初の意図あるいは目的に立ち帰って、何をどう分析しようかかと考えているでしょうか。
分析で迷ってしまうのは、そもそもの意図が明確になっていないからです。
意図したものに対してどういう結果になっていて、何故そうした結果になったかを推測、整理するのが分析という作業です。あるべき姿と現状の事実のギャップを把握することが問題発見です。意図はあるべき姿、現状とそのギャップを測り、原因を考えるのが分析という行為です。
先のログ解析の場合でも、サイト設計の場合でも、意図が存在しなければ分析しようがありません。あるいは、意図はちゃんと存在しているが、あなたが知らないだけということもあるかもしれません。意図がわからなければ、まず、意図を明確にすることからはじめるとよいでしょう。
意図がわかれば、目の前の解析データや設計書の何をどう分析、検討すればよいかは見えてきます。最初の意図が詳細な部分にいたるまで具体的であればあるほど、後の分析もしやすくなります。分析がなかなか思うように進まないのは、意外とこうしたところに原因があったりするものです。
ログ解析であれば、対象となるサイトは何を目的として構築され、運用されているのかを明確にすることで、分析の対象ははっきりします。ユーザーのページ遷移の設計が正しいかどうかは、誰をどのようにどこに誘導しようとしているかを明確にすれば、判断の基準が見えてくると思います。
Webサイトの分析で困ったら、まず、このWebサイトは何を意図しているのかに立ち戻って考えるとよいでしょう。
次回は、分析方法の1つである「トレンド分析(グラフ力を鍛える)」についてご紹介します。