このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。
2005年09月30日
MECEとは
マーケティングユニット 棚橋
MECE(ミッシー)とは、"Mutually Exclusive collectively Exhaustive"の略で、「モレもなくダブリもない」集合の概念です。
MECEは、ビジネスにおける問題発見、問題解決を行う上で非常に重要な考え方です。
モレがあれば、重要な販売チャネルやターゲットの見落としなどという形で機会損失が発生したり、最初のインプットから最終のアウトプットまでのプロセスで1つのタスクがモレていたりすればスケジュール、納期の遅延にもつながります。
また、逆にダブリがあると、同じ営業マンが同一の顧客に別々に訪問してしまったり、社内で別々に同じような新商品を開発してしまったりと非効率が発生することにもつながります。
そうした意味でMECEであるかどうかを考えることはビジネスにおいては重要なことです。
MECEであるかどうかを見極めるには、やはり頭の中だけで考えるよりは、実際に目に見える形ですべての要素を描き出してみるほうが確実です。
以前に「マインドマップ ~階層構造で考える~」で、紹介したマインドマップツールを使えば、ある問題に対する原因をすべてMECEに抽出できているかどうかを作業しながら簡単に検証できます。
また、同じように、「特性要因図」を利用することも有効でしょう。
前回、「問題発見が問題解決のカギ」と題して書きましたが、解決策は問題を発見することからはじまり、問題発見のためには「あるべき姿」と「現状の事実」のギャップを正しく捉えることが基本となります。
その際、「あるべき姿」と「現状の事実」のギャップがMECEとなるよう捉えられていなければ、そこから導き出される解決策にモレやダブリが紛れ込んでしまい、適切な問題解決につながりません。
それではせっかく苦労して問題発見~問題解決のための作業を行ってもむくわれません。
逆に言えば、マインドマップやロジックツリー、特性要因図などのツールを使って、丁寧に頭の中や情報を正しく整理することができれば、問題発見~問題解決という作業はそれほどむずかしくない、ということです。
「どうもうまくいかない」と悩んでいるだけではなく、こうした正攻法の問題発見~問題解決の作業をするクセをつけることがビジネスの成功のカギとなるでしょう。
さて、次回は「SOA(サービス指向アーキテクチャ)とは」と題してお送りします。