このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。
2005年09月27日
問題発見が問題解決のカギ
マーケティングユニット 棚橋
問題とは「あるべき姿」と「現状の事実」とのギャップにあります。
Webコンサルティングを行う場合も、この「あるべき姿」と「現状の事実」を明確にすることが問題の抽出~解決策の提示のために重要なプロセスとなります。
ここで正しくギャップの明確化が図られなければどんな解決策を導き出しても成果は得られません。
問題の設定が間違えれば正しい答えが得られるはずもないからです。
しかし、この「あるべき姿」を明確にするというのが意外とむずかしい。
Webサイトの目的を明確にすればいいだけですが、当然、Web戦略は企業戦略~事業戦略に基づくものである必要がありますから、Webサイトの目的を明確にしようとすれば、どうしても、企業戦略~事業戦略の側に遡らなくてはならなくなります。
そうなると、単にWebサイトの目的を明確にするという作業が途端にむずかしくなります。
理由は企業戦略、事業戦略が明確になっていない場合が多いからです。
企業の目的や事業の目的も、売上目標や利益目標という数値にはなっていても、その数値をどうやって達成するのかという戦略が見えない場合が多くあります。
Webサイトは企業の縮図と言われますが、そのように企業戦略~事業戦略が不明瞭だと、それがそのままWebサイトにも戦略のないどっちつかずな状態として現れます。
企業戦略や事業戦略がしっかりしている企業のWebサイトが優れたものになるとは限りませんが、企業戦略、事業戦略がしっかりしていない企業のWebサイトが優れたものになる可能性は皆無です。
ここで「優れたもの」と言っているのは、企業価値、事業価値を高め、市場浸透、顧客関係性の向上に役立ち、ビジネス的成果をもたらすWebサイトという意味です。
しかし、必ずしも上位の戦略から明確にする必要があるかといえば、そうでもありません。
逆に下位にある戦略の優位性により上位の戦略の組み立てが容易になり、これまで曖昧だった目的や方向性がクリアになることもあります。
そのため、私たちがWebコンサルティングを行う場合でも、とりあえず(初期仮説を立てるという意味で)Web戦略をきちんと明確化=とがったものにすることで、遡行的に企業戦略~事業戦略を明確化する手助けをすることもします。
その際、Web戦略の立案に必要になるのが構想力と分析力です。
構想力を発揮するためには既存の法則、マーケティング・メソッドが役立ちます。
さまざまな法則、メソッドに当てはめてみることで、さまざまな視点からあるべき姿を構想することが可能になります。
問題解決の「ゼロベース思考」と「仮説思考」が重要とされますが、こうした思考を助けるツールとしても、MECE、ロジックツリー、パレート分析、ABC分析、トレンド分析など、さまざまな手法、ツールがあります。
こうした手法を用いれば、「あるべき姿」と「現状の事実」とのギャップとしての「問題」の本質をより具体化し、優先付けすることができます。
問題発見こそが問題解決のカギなのです。
さて、次回は「MECEとは」と題してお送りします。
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コメント
はじめまして。
引用させていただきました。
とても参考になります。
これからもよろしくお願いします。
Posted by: 素人サイト運営担当者 : 2006年01月09日 02:26
素人サイト運営担当者様、
コメントおよびトラックバック、誠にありがとうございます。
今後ともお役に立てるような情報を発信できるよう努力してまいります。
引き続きご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
Posted by: ミツエーリンクス : 2006年01月10日 18:14