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このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。

2006年04月14日

インフォメーション・オリエンテッド・デザイン

マーケティングユニット 棚橋

Web2.0的環境に対応したWebサイト設計を考える時、これまでのようにhtmlを最小単位として考えた設計から、個々の情報を最小単位としてとらえた設計へと意識を変える必要があるのではないかと思います。
というのも、RSS/Atom Feedmicroformats、そして、ASP.NET2.0のWebパーツ・フレームワークなど、現在、注目を集める新しいWeb技術の多くがより細分化した「情報」単位での設計を促しているように見えるからです。

■部品単位への解体~ユーザー要求に応じたクラスタへの再結合

情報の細分化は、ユーザビリティの視点からの要請であると見ることが可能です。
情報のコンテクストとユーザー個々の情報検索の際のコンテクストをマッチングすることを考えると、情報の単位をサイト単位、html単位から、より細分化した情報をユーザーの要求に応じて串刺しできるような形が求められるでしょう。

例えば、サイトに掲載する情報ソースをその提供元という視点でみますと、以下のような分類をしてみることができます。

  1. サイト運営サイドからの情報
  2. 外部リソースの情報(オフィシャル)
  3. 外部リソースの情報(個人、アンオフィシャル)

こうした情報ソースからなる複数の情報を、キーワード検索をはじめとする各種条件検索の結果(=ユーザーの要求)を配信する場合を考えると、どうでしょう。
3つの情報ソースからなる情報群は、ユーザーの要求を受け付けた時点でカテゴリとしてを定義していた境界を無効化され、バラバラに解体された後、ユーザーの要求に応じた新たなクラスタを生成します(例えば、3つの情報群から「Web」というキーワードに関する情報を抜き出す場合のように)。
例としては、Yahoo!ブログ検索の検索結果のRSS購読のようなものを思い浮かべていただければよいかと思います(参考:Yahoo!ブログ検索で「Web」を検索した結果。右上に「RSS」)。

■ユーザー要求に応じたビューの生成

こうした「情報」を最小単位と考え、ユーザーの要求によりビュー(例えば、htmlページ、RSS/Atom Feed)を生成するという考え方は、これまで静的な思考で行うことが多かったWebサイト設計に対して、完全に動的な思考での設計への移行を促すと考えられます。

ユーザー要求に応じた情報クラスタとしてのビュー、ビューをプレゼンテーションするhtml+CSSや、XMLデータを非同期で取り込むAjaxのような技術の利用により、Webサイト上でのユーザーの情報取得フローはより直感的でインタラクティブなものにし、ユーザーエクスペリエンスを高める形のデザインを行うことが可能になるでしょう。

例えば、ユーザー要求をとらえる方法も、キーワード検索のように「クエリー」を通じた方法だけでなく、地図を使った位置情報+αの情報(例えば、店舗情報なのかブログ情報なのかといったジャンルの選択)から、ユーザーの情報検索コンテクストの理解といった方法も考えられるでしょう。

■インフォメーション・オリエンテッド・デザイン

Webの信頼性」のエントリーでは、ユーザーから発信された情報の価値をいかに認め、それをどうやって活かしていくかを考えてデザインすることが重要だという指摘をさせていただきました。
情報検索を行っているユーザーの要求に応えようとする際、「サイト運営サイドからの情報」「外部リソースからの情報」「ユーザー提供の情報」をうまく活用して、より多くの情報の中から本当にユーザーが必要としている情報をセルフサービスで見つけられるような仕組みを実装しておくことは、これからのWebサイトに必須とでもいうべき機能なのではないかと思います。

ユーザーの要求に応じて必要な情報をまとめたビューを生成する。
こうした高いユーザーエクスペリエンスをもったWebサイトを構築するためにも、情報単位での設計を行うインフォメーション・オリエンテッド・デザインがこれからのWebデザインの1つの主要な方向性になるのではないかと思います。

さて、次回は「情報理論の創始者クロード・シャノンの通信モデル」と題してお送りします。

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