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実践!Webマーケティング:Blog

このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。

2005年11月18日

ブランド愛。

マーケティングユニット 棚橋

この数回の記事では「経験」というキーワードを中心にして、ブランドと顧客経験の関係や、Webサイトがもたらすユーザー・エクスペリエンスについて考えてきました。
経験経済ともいうべき現在の市場環境においては、価値ある経験そのものをいかに提供できるかが市場での競争優位性につながります。

その意味で、あなたは、自社のWebサイトでユーザーがどんな経験ができるのかと考えてみたことはあるでしょうか?
「どんな経験をしているか」ではなくて、「どんな経験ができるのか」です。
質問の仕方を変えると、どんな経験を提供できれば、ユーザーにあなたの会社やブランドに興味、魅力を感じてもらえるかということになるでしょう。

実は私自身、最近までそういう風に考えてみたことがありませんでした。

もちろん、訪れたユーザーがストレスを感じないようにユーザビリティのことを考えたりはします。
居心地の良さを感じてもらうためにはどんなデザインがいいのかということも考えます。
また、アクセスログ解析などから、ユーザーの行動を分析して、ユーザーがどんな情報に興味を持っているかなどについて考えたりすることもあります。
でも、それはユーザーが価値を感じる経験について考えることとは違います。

もちろん、上記について考えることもWebマーケティングを計画・実行していく上ではとても大切です。
しかし、それだけでは何かが足りません
足りないと思うのは、それだけでは、ユーザーがそのブランド(あるいは企業)に興味、関心、さらにその上のもっと深い感情的つながりを感じてもらうような経験を提供するにはあまりに不十分すぎるからです。
Webサイトがユーザーに価値ある経験を提供し、それが企業のブランディングに役立つようにするには、人がどのようにして他の人やある対象に対して愛着を抱くのかについてもっと深い視点で考えてみることが必要でしょう。

例えば、一目惚れ。
あの一目惚れという経験はいったい何なんでしょう?
とにかく直感的に「いいっ!」と思ってしまう感覚はどこから来るのでしょうか?

あるいは逆に長い間付き合った相手や物に対する愛着や信頼はどこからもたらされるものなんでしょうか?

同じように食事を運んできてくれるのでも、それなりに親しみを込めているであろうお店のサービスと、親しい人が運んできてくれる時に感じる、明らかな違いは、いったい、どこから生まれるんでしょうか?

一部のブランドに向けられる人々の深い愛情は何によって育まれているのでしょうか?

これまで私自身、そういった視点でWebサイトを使うユーザーの経験について考えることはありませんでした。
しかし、そうした人と人とのつながりという部分に目を向けると、WebサイトあるいはWebブランディングにはまだまだできることがあるのがわかります。

前回、「パーソン・スペシフィック(人材次第)」と題した記事で、Webサイトで経営者や従業員によるBlogを使った継続的なコミュニケーションにより、顧客をはじめとするステークホルダーとの間に、小さなエピソードを積み重ねていくことでブランドとしてのストーリーを生み出せる可能性について書きました。
こうしたことも、日々の経験の積み重ねを通じて、ユーザーに愛着という感情をもたらすことにつながるのかもしれません。

一目惚れとは何か?
愛着とは何か?
人と人との間に深いつながりをもたらすものは何か?

そんなことをもう一度、考えてみるのも、Webサイトを使ったブランディングを考える上で非常に重要なことではないかと思います。

さて、次回は「経験価値の4E領域」と題してお送りします。

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