このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。
2005年03月25日
ブランド戦略とブランド・コミュニケーション
マーケティングユニット 棚橋
最近は、Web構築・運用の仕事をしていても、ブランドに関する質問や相談を受けないことは、むしろ、めずらしくなっています。
Webに限らず、ブランディングを実践していくためには、長期的な視点でブランド戦略を考える必要があります。先日、訪問したお客様にも「リニューアルして半年くらいは効果がある。今回、貴社に相談したのは、長期にわたってサーバイブしていくための施策を提案してほしいから」といった旨のご要望をいただきました。競争の激しい市場において、競合優位性をもったブランドとして、価値をお客様に感じてもらい続けるには、市場でサバイバルするための施策を継続的に行っていく必要があるのは当然のことでしょう。
Webサイトでも、ブランドでも、長くターゲットとするユーザーに価値を感じて、利用してもらうためには、リニューアルなどの短期的なインパクトだけに頼らない、長い目で見たブランド戦略が必要になります。また、そもそも価値あるブランドを構築するのも一朝一夕でできることではなく、時間をかけて、お客様とともにブランド価値を共創していくという姿勢が重要です。
そのため、弊社では、Webブランディングに関するご提案をさせていただく際には、Webサイトのリニューアル構築だけではなく、リニューアル後のWebサイトの運用、アクセスログ解析を中心にしたブランディング施策の効果測定を行なう、長期的な視点でのご提案をさせていただいています。
Webブランディングにおける最も重要なブランド戦略は、ブランド・コミュニケーションに関するものです。
Webサイトを顧客とブランドをつなぐコンタクト・ポイントの1つとして位置付ければ、Webサイトはブランド・コミュニケーションにおけるポータル的な場として捉えることが可能です。他のメディアでは伝えきれない情報、メッセージをWebサイトでは、セグメント化されたユーザーの興味、嗜好にあわせて発信することが可能です。
また、継続して新しい情報を発信し続けるのが比較的容易であるという点も、Webがブランド・コミュニケーションに向いている理由です。さらにそれぞれの情報をユーザーがどのくらい閲覧しているかを測ることで、ユーザーの興味、嗜好を測る目安にもなります。そうした情報の発信と効果の測定により、ブランド・コミュニケーションをよりユーザーのニーズにフィットしたものにしていくことも可能なのが、Webブランディングの特長でしょう。
以前の記事(売れるお店とWebサイト、そして、ブランディング)でも触れましたが、売れるお店、ブランド、Webサイトという3つを比較すると、共通する成功の条件として、
といった要素が挙げられます。
企業活動は、商品の販売、サービスの提供など実質的な活動と、それらの価値をユーザーに共有してもらうためのコミュニケーションの、大きく分けて2種類の活動により、ユーザーに対する価値提供、価値共有を実現するものと考えられます。ブランド戦略では、実質的な活動とコミュニケーションの2軸により、ユーザーが価値を感じるブランド・ポジショニングを築けるかがポイントになります。
Webサイトでブランディングを行なう際には、こうした視点を考慮した上で、仮説~実行~検証のサイクルを繰り返しながら、ユーザーに対するブランド認知、ブランドイメージを向上するためのコミュニケーションを行なっていくことが何より重要なことです。
ブランド戦略を具体的にどう策定すればよいか?
何をどうコミュニケーションしていけばよいのか?
何をゴールとして設定し、評価のバロメータをどこに置けばよいのか?
などの疑問に関しては、ご相談いただければ、成功事例なども交えながら、ご提案させていただくことが可能です。お困りの方は、是非お問い合わせページよりお気軽にお問い合わせください。