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このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。

2007年04月13日

ペルソナ/シナリオ法

マーケティングユニット 棚橋

ペルソナとは、実在する人々についての明確で具体的なデータをもとに作り上げられた架空の人物像であり、ユーザーが本当に使いたいと感じる製品の実現をサポートするための手法です。

ペルソナを利用することで、企業はみずからの事業展開を行う上での本当に大切なユーザー(あるいはお客様)を明確にすることが可能になります。また、ユーザー(あるいはお客様)が商品/サービスを利用するシーンを、より具体的に、物語として描くことで、ユーザー自身さえも気づかない要求を発見することができるようになります。

ユーザーが実際にモノを使う際の物語を描く

そもそも、ペルソナの概念は、Visual Basicを開発し、Windowsを3.1から95へリデザインしたことで知られるアラン・クーパーが、1999年の著書『コンピュータは、むずかしすぎて使えない!(原題:The Inmates Are Running the Asylum)』により紹介したものです。
彼の方法では、まず最初にペルソナを設定し、そのペルソナがモノを使って目標を達成する物語(シナリオ)をつくります。ペルソナがどう考え、どう行動するかを思い描きながら、モノを使うシーンを「動詞で考える」のです。

もし、ペルソナの物語を描く際に、ペルソナの行動シーンが明瞭に描くことができない場面に出くわしたら、それはユーザーに関する理解が足りないということを知らせてくれる絶好のアラートです。
ペルソナは、前回紹介したフィールドワークやエスノグラフィなどの質的調査法を用いて集めた定性情報や、アンケート調査やアクセスログ解析などの定量情報に基づいて作成しますが、ペルソナがモノを使うシーンを映し出す映像になにか欠けている部分を見つけ、それがとても重要なシーンであれば、より深くユーザーを理解するための追加調査が必要であることをペルソナは知らせてくれるのです。

「私たちのことをもっとよく知って!」というユーザー/お客様の声を、商品・サービスの企画や設計、マーケティング・コミュニケーションに関わる人に伝えてくれる役割を、ペルソナは担ってくれるのです。

なぜペルソナなのか

ペルソナの利用法について、大変わかりやすく、かつ詳細に紹介してくれている本『ペルソナ戦略』の中で、「なぜペルソナなのか。ペルソナを使わなくてもユーザーについて話し合えばよいのではないか」という質問に対して、著者のジョン・S・プルーイットらは、ペルソナを理解する上で非常に明快な答えを提供してくれています。

「ユーザー」について話し合うのは、もちろんよいことだ。しかし、単なる話し合い以上のことが必要になっている。「ユーザー」は、製品を使う人を正確に伝える言葉ではない。ペルソナは「ユーザー」とは違って、個々の人物を詳細に描いたものだ。開発プロセスにおいてペルソナを作成、使用することで、本当のユーザーの姿が明確になり、ユーザーのニーズに焦点を合わせられる。

ジョン・S・プルーイット他『ペルソナ戦略-マーケティング、製品開発、デザインを顧客志向にする』

私たちもつい「ユーザー」「顧客」という言葉を使ってしまって話をしてしまうことがありますが、「ユーザー」や「顧客」という言葉では、デザイン/開発に関わる人のあいだでも、異なるユーザー像/顧客像を描いてしまう危険性が高くなります。

例えば、ECサイトの商品検索性を高めるデザインを考える際に、ビジュアルデザイナーはオンラインショッピングに慣れていないユーザーを想定し、システム設計者は反対にオンラインでの買い物に慣れたユーザーを想定したしまったら、ユーザーインターフェイスの見た目と機能、フローがバラバラの非常に使いにくいデザインができてしまうでしょう。

より深く、よりヴィビッドにユーザーの利用シーンを描く

同じ目的をもったメンバーが同じ言葉を使って会話をするのは、プロジェクト推進を円滑に、かつ、成功するための鉄則です。
ペルソナを使うということは、チームメンバーが共通のユーザー像をイメージできるようになるだけでなく、より具体的で体感しやすいユーザーの行動シーンが見えるようになることで、チーム内でのブレインストーミングによるアイデアの創出も活性化してくれるはずです。

情報の閲覧・検索やオンラインショッピングなど、ごく限られた利用シーンに限られていた時代から、iPod+iTunes+iTMSやLISMO、YouTubeセカンドライフなど、次々と新たなライフスタイルを生み出す現在のWebの利用シーンの広がりを考えると、フィールドワーク調査やペルソナ/シナリオ法を用いて、より深くよりヴィヴィッドにユーザーを理解する必要は高まってきているのではないかと考えます。


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