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このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。

2006年02月14日

Web2.0的なものへの代替手段

マーケティングユニット 棚橋

Web2.0の議論で欠けているもの(前編)」で、Web2.0というものをビジネスの側面から考える上で、

が議論として欠けているのではないかということを指摘し、こんな図を描いてみました。

web2.0 economy

すでに、「一般企業にとってのWeb2.0の影響またはメリット」に関しては、「Web2.0の議論で欠けているもの」のエントリーの中編後編で論じてきましたので、今回は「Web2.0的なものへの代替手段」について考えてみたいと思います。

まず、企業のWebサイトを管理したり、Webマーケティングを担当されたりしている方から見た際、Web2.0的なものへの代替手段として考えられるのは、以下のものになるのではないかと思います。

企業サイトのWeb構築、運用、マーケティング活用の観点から見た「Web2.0的なものへの代替手段」
  • Web1.0的なもの(つまり、これまで通りのWeb)
  • Web以外のコミュニケーションメディア(テレビ、ラジオ、新聞・雑誌 etc.)
  • オンラインでの音声・映像コンテンツ(広義ではいわゆる「通信と放送の融合」的なものも含む)
  • Google

「Google」に関しては、何故、それが独立しているのか、この時点では疑問をお持ちの方も多いとは思いますが、それも含めて4つのうち、私の専門からは明らかにかけ離れた「Web以外のコミュニケーションメディア」を除いた2つについて、今回は考えてみたいと思います。

■Web1.0的なものとWeb2.0的なもの

Web1.0とWeb2.0の相違を考える際、Webが目指してきたものという観点からみると、実は両者を隔てるものはそれほど大きくはないだろうと思います。

Webはその初期段階から知のネットワークを形成することが目指されたものでした。また、誰もが表現することができたり、双方向のコミュニケーションができることが夢見られてきました。
ただし、Web1.0の時代ではその夢を実現しようにも、環境面、技術面が整備されていませんでした。

回線面ではブロードバンドなどの環境整備ができていなかったり、サーバーなどのインフラも高価でした。WebブラウザもW3Cが標準化したHTML+CSSによるコーディングを正確にレンダリングできなかったりいう問題もありました。今でこそ、Blogの流行と同時に浸透してきたRSS/Atom Feedによる更新情報の取得の仕組みですが、実はすでに1999年にネットスケープ・コミュニケーション社によって開発(RSS0.9)されたものでした。それが現在のように使われるようになるためには、ブロードバンド回線が市場浸透したインターネット環境で多くのユーザーがBlogを使ったコミュニケーションをはじめるまで待たなくてはなりませんでした。

環境面、技術面での制約が夢の実現を妨げていました。そうしたことが過去にはネットバブルというインターネットに対する幻滅をもたらしたと考えるべきではないかと思います。

しかし、ようやくそうした環境面、技術面でも初期のWebが目指した想いを実現できるくらいに整備されてきました。実はそのことが初期のWebの夢を思い出させるものとして、Web2.0というキーワードを生み出したのではないかという気がします。
Web2.0のWebサービスに多くみられるベータ版の表記は、Web1.0の時代に苦労して実現した表現や機能をアルファ版もしくはプロトタイプとして懐かしむ意味合いもこめられているのかもしれません。

下層の基盤が標準化されると、その上の層に展開される表現は多様化します。1つに標準化されないまでも、一定の互換性をもった基盤が整備されると、開発コストは大幅に削減でき、浮いたコストを表現や機能の充実にまわすことが可能です。
このことはWeb環境に比べて標準化の進んでいない携帯電話でのインターネット閲覧を想像してみると理解しやすいのではないでしょうか。携帯電話ではキャリアの違いによる仕様の相違が大きいため、サービス提供における障壁も高く、サービス開発にかかるコストも膨らみがちです。それがWebサイト以上に課金型のコンテンツに対するニーズを大きくしてしまうため、どうしても公式コンテンツに頼らざるをえなくなり、新規のサービスの自由な参入がむずかしくなるという状況を生み出しています。
Webとモバイルにおける技術の標準化の進み具合の相違が2つのインターネット環境をまったく異なるものとしているのだといえるでしょう。

このように考えるとWeb2.0を迎えて目指すべきことは、何より環境面、技術面がもたらした変化への対応だといえるでしょう。変化した環境への適応のために標準化の進んだ(X)HTML、CSS、RSS、WCAGなどの技術を実装することで、いかなる効果を実現するかという視点で考えることが重要であって、今までの常識が覆されたような印象をもつのは大げさな気もします。
注意するべきことがあるとしたら、環境整備、技術向上が整わなかったWeb1.0時代の常識にとらわれず、むしろ、初期のWebが夢想した、知のネットワーク形成、万人による表現、双方向コミュニケーションといったものを思い出す必要があるということなのでしょう。

■オンラインでの音声・映像コンテンツとWeb2.0的なもの

ここまで情報という言葉で扱ってきたのは主にテキスト中心の情報でした。しかし、実際にインターネット上で扱われている情報は単なるテキスト情報に限りません。よりリッチな表現が可能な画像情報、音楽情報、動画情報などもインターネット環境には存在します。
先の環境面での整備との関連では、ブロードバンドの整備によりこうしたリッチコンテンツの配信も可能になったと見ることができます。先にWeb環境と比較して、標準化の進んでいないといったモバイル環境ですが、音楽配信という観点でみると公式コンテンツによる小額課金のしくみが確立していることもあり、iTunesの登場でようやく市場が広がりはじめたWeb環境よりも一歩進んでいると見ることが可能でしょう。動画の配信に関しても、4月1日から地上デジタル放送のワンセグメント部分受信サービス「ワンセグ」が開始され、Web環境でのGyaoYahoo!動画(TVバンク)の動きに対してそれほどの遅れは見られません。

しかし、テキスト情報とは異なり、こうしたリッチなコンテンツにはまだ障害が残っているというのも確かです。

障害の1つは検索性です。
Web2.0という環境を実現したものの1つで忘れてはならないのは、精度の高いコンテンツマッチングを実現した検索エンジンの性能の向上です。イメージ検索こそ、どうにか可能にはなっていますが、音楽情報や動画情報となるといまだにマッチングの精度は非常に低いといわざるをえないでしょう。
検索結果に表示されたリストの中から自分が本当に探していたものを見つけるのは、テキスト情報であれば順にページをクリックしていけばいいですし、イメージ検索でも一目見ればわかります。しかし、ある程度の時間をかけないと1つの候補が自分の探していたものかどうかを判断できない音楽情報や動画情報となると、そうはいきません。音楽情報や動画情報の検索技術に関しては、今後の技術向上が必要となってくるのでしょう。

そして、もう1つの障害。それは著作権に関するものではないかと思います。これに関しては、次回「Web2.0時代の法令、規制」と題してあらためて考えてみたいと思います。

とはいえ、障害があれば何もできないというわけではありません
Web1.0の時代にいまとは異なるコンテンツがユーザーに利用されたように、障害を工夫によって乗り越えるコンテンツ・サービスの提供は十分に可能だということは忘れてはいけないでしょう。

■Web2.0とGoogle

何故、ここでGoogleだけを特別扱いにしているのか? そうお感じなられる方は多いと思います。
先ほど、標準化による環境面の整備ということを書きましたが、この側面からGoogleを考えるとその異質さがわかります。

現在、Blog、RSS/Atom FeedなどのXMLを基盤とした技術により、インターネットの構造化は随分、進んできています。情報の内容をメタ情報によって明確化するXMLの全体含有量が増すにつれて、インターネット全体がよりセマンティック化が進むでしょう。
こうした面からみるとWeb2.0の先にあるのはセマンティックWebであると見ることも可能で、より意味論的に整理する方向で標準化を進めることで、インターネットの検索性、知のネットワーク化を進めましょうという方向性が見えます。

しかし、Googleはそんなことは言いません。
デスクトップ検索やBook Searchなどに見られる姿勢は、まったく正反対のものです。
どんなファイルでもインターネット上に置いてさえくれれば、検索できるようにしますよ。私たちにお任せください。
とでもいうような。

もちろん、Googleも標準化されたセマンティックなWebを拒みはしないでしょう。しかし、仮にセマンティックになっていなかったとしても、Googleは検索を可能にします。しかも、ライバルのYahoo!にようには人手を介さず全自動的に。さらに言えば、検索可能というのは単にGoogleの1側面であり、Googleのすごさは世界中の情報のコンテクスト、インターネット内で行動する人間のコンテクストの理解を進めているということにあるのだと思います。それがWeb2.0~セマンティックWebの流れとは大きく異なる、Googleの独自性なのでしょう。

■企業とユーザーのコミュニケーション

さて、ここまでWeb2.0とその代替手段について駆け足で見てきました。
しかし、大事なことはWeb2.0という時代を迎えても、Webサイトが企業にとって自社のステークホルダーに向けたコミュニケーションを担う場であることに変わりありません。

環境は変わって、技術が変わっても、大事なことはその先の人を見ることではないでしょうか?
その人が検索エンジンを使うのか? RSSリーダーを使って情報の更新を待っていてくれているのか? Blogのコメントやトラックバックを使ってコミュニケーションをしたいと思っているのか?

そういうインターネットの先にいる人のことを考えれば、自社のWebサイトに何が必要なのかを違う観点で見ることができるのではないでしょうか。
それは私たちのような顧客企業様のWeb構築/運用をサポートする立場にいる人間でも忘れてはいけない大事なことだと思います。

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