このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。
2008年03月31日
考える目的
マーケティングユニット 鈴木
仕事柄、私はクライアントに対して、企画書ないし提案書と呼ばれるものを作成することが多くあります。基本的には、Webサイトの新規立ち上げやサイトのリニューアルに関するものがほとんどですが、どんな提案書を作る場合でも大切にしていることが一つあります。
それは、“考える目的を忘れない”ということです。
ここで言う“考える目的”とは、クライアントが弊社に対して何を期待し、何を求めているのかということに他なりません。提案書を作る際に、事前にクライアント側の担当者にお会いしてヒアリングを重ね、社内のスタッフ同士で提案の方向性を検討するのも、“我々に対して何を求めているのか”ということを整理するためと言ってもよいでしょう。
考える目的が整理されることで、案件に関わるスタッフ一人ひとりが、アウトプットとしてどんな成果を生み出せばよいかという共通の認識をもって作業に取り掛かれるようになります。
この“目的が整理されない状態”、もしくは“目的を見失ってしまった状態”で作業をすすめてしまった場合、それに膨大な時間をかければかけるほど、最終的な提案書はクライアントの期待とはかけ離れたものになってしまうでしょう。
トルストイの書いた人生論に、考える目的を忘れてしまった一人の粉ひきの話が登場しますが、彼が粉屋として事業に失敗したのも“自分が何のために考えるのか”という根本的な部分を見失ってしまったからです。
論理的には間違っていない説明(私の場合、企画書ということになりますが、)であっても、目的を忘れたものであればクライアントにとっては意味をなしません。目的が明確に定まることで初めて、クライアントの要望に応えることができるというものです。
“考える目的は何か”、常に意識しておくことで、クライアントに対して新しい価値を提供し続けていきたいと思います。