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このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。

2005年07月01日

T字形ER手法を参考にビジネスBlogの活用を考える

マーケティングユニット 棚橋

T字形ER手法とは、データベース技術を専門にする佐藤正美氏(株式会社SDI代表)が、データ正規形を使って、事業の事実を記述することで、高パフォーマンスのデータベース構築および新しい勝ち点を実現するビジネスモデルの構築を実現する技術として考案した手法です。

4、5年前、私も「早稲田大学エクステンションセンターの講座」で、T字形ER手法について少し学ばせていただきましたが、佐藤正美氏自身が「T字形ER手法はビジネスを解析しながらデータベース構造も同時に構築する手法」と定義しているように、データベース構築を仕事にしているわけではない私にとっても、ビジネスの解析を試みる際には時々思い出して、そのエッセンスを役立たせてもらっています。

さて、T字形ER手法に関しては、SDI社のホームページにも情報がありますし、また、もっと詳しく知りたい方は佐藤正美氏の著書を読んでいただくとして、ここでは詳しく述べません。
ただ、私がここでT字形ER手法を取り上げた理由である「T字形ER手法のルール」のうちの2つについては少し書いておきたいと思います。

T字形ER手法は、まず前提となるデータの認知のルールとして「データ集合を○○コードあるいは○○番号を使って生成」 し、さらにデータ集合を「resource」と「event」の2種類に類別します。

ここでいう「resource」「event」というデータ集合の類別は、データ集合に「日付」が帰属するかどうかによって判断が行われます。データ集合の性質として「日付」が帰属するものが「event」であり、それ以外が「resource」となります
例えば「受注」というデータ集合には「受注日」という性質が帰属しますので「event」であり、「部品」や「顧客」というデータ集合には「日付」が帰属しませんので「resource」ということになります。
ここで注意すべきなのは「社員」というデータ集合に「入社日」を含めるのはT字形ER手法では間違いとされます。
「入社日」は「入社」というデータ集合に含まれるべき性質であり、「社員」という「resource」に類別されるデータ集合と対応する「入社」という「event」に類別されるデータ集合として記述することが正しいデータの認知ということになります。

また、T字形ER手法では「データ集合の間に成立する関係は以下の4種類に定式化」されます。

resource対resourceの関係は、対照表で表されます。
そして、この対照表は、eventの原型ともいえるもので、例えば「顧客」と「商品」という2つのresourceの対照表に「日付」の性質を持たせると「売上」あるいは「受注」というeventとしてとらえることが可能です。
こうしたresource、event、そして、それらを使ってビジネスの事実を記述していく点が、T字形ER手法が単なるデータベース構築手法ではなく、ビジネスモデル構築手法として用いることができる要因であるともいえるのだと思います。

この考え方は、私たちがWebサイトを設計する際にも参考になります。

企業情報の中にも時系列が意味をもつ情報とそうでない情報が存在しており、前者は先のeventに相当し、後者はresourceに相当するものといえます。
eventに相当する情報としては、文字通りのイベントの情報である、入社説明会や決算説明会、セミナーなどの情報やニュースリリースなどが含まれます。
一方のresourceには製品情報や技術情報、経営陣の紹介などの情報が含まれます。
ようするに企業はresourceの組み合わせでeventデータを発生させることでビジネスを行っているわけで、resourceがどんなに多くてもevent(=企業活動)の数が増えなければ収益は増えないということができるでしょう。

さて、そこでもう一度、Webサイトに掲載されている情報に話を戻します。
あなたの会社のWebサイトではどれだけeventに相当する情報を扱っているでしょうか?
全体の5割を超えていれば優秀なほうだと思います。
ほとんどの会社のWebサイトではeventに相当する情報の掲載が2割にも満たないのではないかと思います。

それでいいのでしょうか?
先にも書いたように、resourceがどんなに多くてもeventの数が増えなければ収益は増えません。
それはWebサイトを通じたコーポレート・コミュニケーションにおいても通じることだと思います。
SIGMA計画(Sustainability - Integrated Guidelines for Management =サステナビリティ統合マネジメントガイドライン)における「機会の最大化」とは、このeventの最大化であるととらえることも可能です。
顧客をはじめとする、さまざまなステークホルダーとの機会(=event)を増やすことが、企業のサステナビリティ(持続可能性)を高める1つのポイントです。

時間性、追加更新性を持ち、かつ、既存のコンテンツ群とのリンクによる関連性を持つことが容易なBlogツールは、まさにこうしたWeb上でのコーポレート・コミュニケーションの機会(=event)の増大を実現するのに有利なツールです。
弊社のBlog活用サービス、DNA型Web構築ソリューションも、そうした継続的コミュニケーションにより、新たな顧客接点、顧客関係性の構築を目的としたサービスです。
会社に眠っているresourceを外部に向けて情報発信することで、新たなeventを生み出すことは可能なはずですし、また、そうした企業情報戦略をとっていかない限り、この厳しい情報社会で生き残っていくことは今後いっそうむずかしくなるのではないかと思います。

DNA型Web構築ソリューションは、そうした時代に、情報発信、コーポレート・コミュニケーションという視点からのイノベーション、ブレイクスルーを促すビジネスBlogサービスです
DNA型Web構築ソリューションについて詳しくお知りになりたい方は、お問い合わせページよりお気軽にお問い合わせください。

さて、次回はAIDMAの法則をベースにしたユーザー導線の設計と題して、ユーザーの製品理解、企業理解を高めるためのナビゲーション設計手法について紹介しようと思います。

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