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このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。

2005年04月15日

ポジショニング・マップ 相違点と類似点

マーケティングユニット 棚橋

自社あるいは自社製品のポジショニングを決める際、競合他社(あるいは競合ブランド)との、相違点と類似点を明確にするためにポジショニング・マップを作成することがあります。ポジショニング・マップとは、競合他社との差別化のポイントを明確にするため、独立した2つの評価点を縦軸と横軸におき、競合他社との関係において、自社の市場優位性を検討するツールです。例えば、横軸に「価格」、縦軸に「品質」などを置くことで、自社と競合他社との関係(「自社は競合他社に比べて、価格はやや高いが、品質では競合他社に大きな優位性を持っている、など)を、分析するために用います。

以前(ポジショニングの明確化)にも書きましたが、ポジショニングとはターゲットとする「人の心にどうポジショニングされたいか?」、自社および自社製品を「どんな風に覚えてもらいたいか?」を決定することで、その後のマーケティング・プログラムやブランド・コミュニケーションの方向性を明確にする意味で非常に重要なプロセスです。
当然ながら、ポジショニングはターゲット・ユーザーにとって価値をもつ違いでなければ、意味を成しません。例えば、ある商品に対して必要な要件を満たしているかを重視し、価格をそれほど気にしないターゲットに対して、価格優位性によるポジショニングを行なっても、肝心の必要な要件を満たしていなければ、市場での競争には勝てません。そのため、ポジショニング・マップを作成する前には、競合他社に関する調査だけでなく、顧客が何を望んでいるかという視点での調査も同時に必要となります。ここでは3C分析が有効です。また、下図のようなシックスシグマの手法における分析のフレームワークも有効でしょう。

顧客が望んでいるものは何かを捉え、また、様々な顧客の要求を品質機能展開(QFD)などを用いて重要度を分析しておくことが、ポジショニング・マップを作成する前の準備として必要です。

さて、ポジショニング・マップを作成して、競合他社との差別化を明確にする場合、単に他社との違いだけでなく類似する点にも着目する必要があります。ブランド・マネジメントの研究者、ケビン・レーン・ケラー氏は「適切なポジショニングを達成するためには、連想における相違点と類似点を正しく打ち出す必要がある」と、著書『ケラーの戦略的ブランディング』(東急エージェンシー刊)に記しています。
相違点とは「あるブランド特有の強く、好ましく、そしてユニークなブランド連想のこと」で、自社ブランドのポジショニングを考える際に誰もが着目する点でしょう。一方の類似点には2つのタイプがあり、「ある製品カテゴリーやサービス・カテゴリーに相応しく、信頼できる製品だと消費者が認めるうえで必要な」カテゴリー連想と、「競合他社の相違点を打ち負かすための」競争的類似点連想があります。

もちろん、Webブランディングを考える際にも、自社ブランドをターゲットユーザーに対してどのようにポジショニングするかは非常に重要な問題です。顧客のブランド知識は、顧客自身のブランドに対する直接的接触(購買経験、使用経験etc.)と間接的接触(コミュニケーション、クチコミetc.)によって生まれ、顧客自身の状況(経済状況、心理状況)や価値観、社会的文脈などによって意味づけされますが、Webブランディングにおけるブランド・コミュニケーションは、顧客のブランドに対する直接的接触を補完し意味あるものとして位置付けるものとして重要な役割を持ちます。また、直接的接触、間接的接触におけるブランド知識を顧客がどのように記憶するかという意味では、Webブランディングにおける継続的なコミュニケーションは、社会的文脈や顧客自身の心理状況への影響という意味で非常に有効です。

Webブランディングにおいて、実際にブランド・ポジショニングを確立していく具体的な手法としては、サーチエンジン・ブランディングによるブランド認知向上、ブランド・イメージ構築のための施策や、ATOM型製品ページ支援ソリューションDNA型Web構築ソリューションを活用した継続的なブランド・コミュニケーションの実施などが挙げられます。
また、スパイラル ログ解析(定点観測レポート)や顧客満足度調査などによって、ブランド・パフォーマンスの変化を測定、分析することも重要でしょう。
さらには、こうした複数の活動を管理し、ブランド戦略をマネジメントすることも、市場に必要とされる強いブランドを構築、維持していく上では欠かせません。

本日、リリースしたブランド・ソリューションの新バージョンでは、ブランド・マネジメントの視点でのサポート機能をより強化しています。自社のブランディングを視野に入れながらも、なかなか具体的なプランが立てられない、実行が計画通りに進まない、効果がどうも長続きしないといった悩みを抱えている企業に、ブランド・マネジメントの仕組みをご提供することで、強いブランドを構築、維持するWebブランディング・プログラムを実行可能にする包括的なブランディング・サービスです。
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