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このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。

2006年02月03日

Web2.0の議論で欠けているもの(前編)

マーケティングユニット 棚橋

年明けからここ数回のエントリーでは、Web2.0的な話題を取り上げて考察してきました。Web業界内ではBlogなどを中心に1年前くらいから話題になっていたWeb2.0ですが、ここに来て雑誌での特集記事や書籍の出版予定などの話題も聞かれるようになってきています。
しかし、現在のWeb2.0の話題には何か欠けているものがあるように思われます。

まず、現在、多くのWeb2.0に関する話題は以下の3つに集中している傾向があります。

  1. Web2.0に関するConcept、Overview(Web2.0とは何か、Web1.0とWeb2.0の比較、Web2.0のミームマップ etc.)
  2. Web2.0関連のテクノロジーの話題(Ajax、Ruby on Rails、RSS/Atom Feed、SNS、SBM etc.)
  3. Web2.0企業について(Web2.0企業に必要なもの、マッシュアップとデータベースの保有、Web2.0企業のビジネスモデル etc.)

もちろん、これ以外の話題がないわけではないので「欠けている」というのは正確ではなく、「不足している」と表現したほうがいいのかもしれません。
上記の以外の話題では、

  1. Web2.0環境におけるユーザー動向の変化(read-write web、知識の共有、アルファブロガー etc.)

に関するものがあります。
この4.の話題は、Web2.0企業がビジネスを行う上でのターゲットとなる人たちに関するものです。3.で自分たちがどんなビジネスを行っていくのかという話をすれば、4.の話題が出てくるのは自然な流れでしょう。
こうしたWeb2.0企業(あるいはWeb関連ビジネスを提供している企業全体)のビジネスといった視点から考えてみると、欠けているのは次の3つの話題であることが想像できます。

  1. 一般企業にとってのWeb2.0の影響またはメリット
  2. Web2.0的なものへの代替手段
  3. Web2.0時代の法令、規制

5.に関しては、Web2.0企業にとっては4.とは別の顧客になる可能性があるものです。アメリカでGoogleが成功していることから、それをベストプラクティスとしてB2Cのビジネスばかりが脚光を浴びる傾向がありますが、広告モデルを考えれば、当然、B2Bのビジネスも視野に入ってくるでしょう。
実際、5.に関する話題もRSS広告、RSSマーケティングという切り口では語られていますし、昨年、インターネット広告の売上がラジオのそれを抜いたことで、一層、着目されている分野でもあります。
しかし、ビジネスモデルが大きく「広告モデル」「課金モデル」「受託モデル」の3つに分類されることを考えれば、広告モデルのみが注目されているという意味で5.に関する話題はまだまだ欠如している部分が大きいように思います。

6.と7.に関しては、2.のテクノロジーに関する話題と同様に、Web2.0市場を規定する要因となりうるものですが、この2つに関してはすくなくともWeb2.0との関係性ではほとんど語られていないといってよいでしょう。これに関しては、また次回取り上げてみたいと思います。

さて、以上の1.~7.を図としてまとめてみると、下のようになると思います。

economy

マーケティング的に考えると1.~7.の話題を検討するのは必然です。
提供するサービスのターゲット、サービス内容、サービスを可能にするテクノロジー、サービスに対する代替品、サービス提供に関連する法令や規制など、こうした市場環境をSWOT分析的な視点で検討するのは、新しいビジネスを検討する際には必須だと言えるでしょう。

しかし、実際には5.~7.に関しては欠如、不足が見られます。
これは、つまり、上の図の右半分と市場を左右する3つの要因のうち2つがほとんど無視されているということです。
このことはWeb2.0的な市場がまだ十分に成熟していない証拠だと考えても良いでしょう。

Web2.0市場の現状をイノベーター理論でとらえてみると、今はまだ、その話題の中心がイノベーターからオピニオンリーダー(アーリー・アドプター)に移動してき始めた段階だといえるのではないかと思います。
ちょうどイノベーターが着目する概念(1.)や技術(2.)中心の話題から、実利的なオピニオンリーダーが気にする自社のビジネスモデル(3.)やメインターゲット(4.)の話題が出始めてきたといったところなのでしょう。

さて、こうなると、当Blogがメインターゲットと想定している「企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方」には、Web2.0って自分たちにはまったく関係ないものなのではないかと感じられる人もいらっしゃるのではないかと思います。

でも、違います。そうではありません。

ここ数回のエントリーでご紹介してきたとおり、Web2.0というインターネット・エコノミーの変化は、一般企業のWeb運用、Webマーケティングにも確実に変化をもたらすものですし、うまく戦略的に捉えれば、さらなるメリットを得ることができる機会だと私たちは考えています。

では、今度は「企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方」を中心に、先の図を書き換えてみましょう。

economy2

Web2.0を一般企業が戦略的にとらえ、活用するポイントは以下の3つです。

  1. Search、Subscribe、Shareの最適化
  2. 社外向けWebのユーザーエクスペリエンス向上
  3. イントラネットの改善、社外向けWebとの連携

1.のうち、Searchの最適化に関してはすでにお馴染みのSEOやSEMがありますが、Web2.0時代には「サブスクライブ・オプティマイゼーション」や「ソーシャルブックマーク」のエントリーで紹介したようなSubscribeやShareの最適化がWebマーケティング等の企業Webの活用を考える上では重要な要素となってきます。

2.に関しては、まず思い浮かぶのは、Ajaxを用いてサイト内の検索性を向上するリッチなユーザーインターフェイスの実現ですが、単にそれだけでWebサイトに期待する効果が出ないのは、企業のWebマーケティングを担当されている方ならすでにご存知のはずです。Web2.0環境でいかに企業サイト内をその環境に最適化して、Webサイトの目的を達成するかは大きな課題です。これに関しても次回に詳しく考えたいと思います。

そして、最後の3.に関しては、すでにBlogの社内活用のサービスがいくつか提供され、はじめてもいます。しかし、問題はこうしたサービスをいかに既存のイントラネットや社外向けWebサイトとつなぐかという点にあります。社内で活用するツールが複数あれば、効率が損なわれるか、使用されないツールがでてくるかという問題が生じるのは目に見えています。ここでもRSS/Atom Feedに代表されるXML技術を持ちいた複数ツール間のデータの共有がポイントになってくるでしょう。

さて、今回は、「Web2.0の議論で欠けているもの」という視点から、Web2.0時代の一般企業でのWeb活用について概要を眺めてきました。
次回は、ここで見たそれぞれの要素に関して、もうすこし詳細に検討してみたいと思います。お楽しみに。

「Web2.0の議論で欠けているもの(中編)」へ
「Web2.0の議論で欠けているもの(後編)」へ

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コメント

すげー参考になりました23三歳です。

Posted by: 石川 : 2006年02月08日 14:51

石川さま、

ありがとうございます。
よろしければ、どのあたりが特に参考になったか、お聞かせいただけると幸いです。
Web2.0は現在進行形のもので、いろんな人がアイデアや技術を出し合いながら漸進的に形づくらていくものだと思っています(これは何もWeb2.0に限ったものではないでしょうけど)。
そういう風に考えておりますので、ぜひ、この場がいろんな方の意見が交換されることで、Web2.0の漸進的な発展に貢献できる場にできればと思います。

Posted by: ミツエーリンクス : 2006年02月09日 16:19

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