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このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。

2006年01月20日

CGM時代の情報の複製と創造性(前編)

マーケティングユニット 棚橋

CGM(コンシューマ・ジェネレイテッド・メディア)とは、Web2.0という概念において中心的な役割の1つを担っているといえる、BlogやSNS(ソーシャルネットワークサービス)、Wikipediaなど、ユーザー主導型の情報発信メディアを総称する言葉として用いられています。
こうしたメディアの利用者は、下記のAlexaのグラフが示すように増加の一途をたどっています。

また、ビデオリサーチインタラクティブの調査では、2005年7月から12月の6ヵ月間のBlog推定訪問者数は約2155万人となったと言われます。

ここ数回のエントリーでは、Web2.0というキーワードで表現される現在そしてこれからのWeb上の環境の変化がどのような社会的な変化をもたらしうるかを見てきました。
その中でも何度か言及してきましたが、Web2.0がもたらしたインパクトの1つは、これまで情報の受信者であった人たちが発信者に変わることによる情報量の劇的な増加とその回覧速度の飛躍的な高速化です。
そして、この変化が今後のビジネス環境、社会環境に大きな影響を与えるであろうことは容易に予測できます。

ウォルト・ディズニーのマンガ『バンビ』は1942年に公開されて、ものの数年でシカ狩りに対するアメリカ人の態度を一変させた。今日、アメリカの一部ではシカが増えすぎて深刻な公衆衛生上の問題になっている。シカにつくダニが草原歩きの好きな人を噛むので、関節炎がちょっと拡大しているのだ。

ダニエル・C・デネット『自由は進化する』(NTT出版刊)

CGMの台頭はこれまで情報の受け手であったユーザーを情報の発信者へと変え、情報の発信を担っていた放送局や新聞社、雑誌社、ポータルサイトなどのメディアとの差は、絶対的ともいえる質的な差から、単なる量的なものへと変化します。
いまや個人のBlogは単に日記の域を超えて、企業が発信する情報以上の内容をともなった記事を日々発信しているものも決して少なくはありません。
当然、情報の発信者が無数に増えることで、発信される情報は時間軸とともに無限に拡大していきますし、1つの情報がBlogのトラックバックやコメント機能を通じて他の人の解釈や意見という形で複製されます。
そうした大量の情報がRSS/Atom Feedを通じ、驚くべき速度で回覧されます。

こうした変化がビジネス環境や社会にどんな影響をもたらすのでしょうか。
少なくとも何も変わらないということはないでしょう。

『バンビ』の公開が関節炎の拡大をもたらしたように、これから起こる変化は私たちの想像の範囲を超えたところで起こる可能性もあります。

ここではまず、どんな変化をもらたすのかを考える前に、今すでに起こっている変化を見ることにしましょう。
観察対象は、Web2.0的環境で情報が伝達される際にはどんな傾向があるかです。

■Web2.0的環境におけるロングテール現象

■個人ブロガーを情報発信行為に導くエンジン

■情報の回覧、情報の複製

このようにWeb2.0的な環境において、情報はBlogやSNSなどで発信する力を得たユーザーによって、複製され、広範囲に回覧されます。そうして生み出された情報もまた、インターネット特有のロングテール現象により、ほんの一部の人気の情報と、それ以外の人気とは無縁な無数の情報に分かれることになります。
しかし、人気とは無縁の無数の情報にまったく価値がないわけではなく、ユーザー自身の積極的な情報発信は、すくなくとも発信者自身に自分が何を考え、どう思ったかという自己認識をもたらします。たとえ、それがNEWS記事や有名ブロガーのエントリーに対する複製的な情報の発信であっても、それは元の記事に対する賛成/反対、共感/反感などの形で、発信者に自己認識をもたらすのではないかと思います。

以前にこのBlog内でも、その著書を紹介した、脳科学者の茂木健一郎氏は、『脳と創造性』(PHP研究所刊)の中で、次のように記しています。

創造性の最高の形式の1つは、自分自身が変わることである。人間は自らの置かれた文脈にあわせた「ふり」をすることで、自らを変身させ、新しいものを創造するのである。

茂木健一郎『脳と創造性』

複製だとか、模倣だとかいうとネガティブな印象を受けがちですが、創造あるいは伝播には、複製や模倣が必要不可欠であるということも事実です。
次のような例をイメージいただけると、そのことがご理解いただけるのではないでしょうか。

こうした例は枚挙にいとまがありません。
あらゆる生物がDNAが複製プロセスによって増殖するように、生物である人間は基本的に自然科学の法則に従う形で複製を介さずには創造ができないということなのかもしれません。
オープンソース化の流れや、GoogleやAmazonなどが自社のWebサービスのAPI(Application Program Interface)を公開することで、自己の複製を通じた新たなWebサービスの創造を促進していることも、同じようにWeb2.0的な環境での特徴だと言えるでしょう。

技術や情報を独占したり、会員あるいは顧客を囲い込むことで価値を生み出していた経済から、それらを開放し、サイトや組織の垣根を越えた連携により価値を生み出そうとする現在またはこれからの経済では、消費行動やビジネスモデルも大きく変化するでしょう。
もちろん、Webサイトを使った企業のコミュニケーションもこれまでのような閉鎖性の強い消極的な情報開示では、企業価値を高めることにはつながらないどころか、逆に、企業価値を損なう可能性さえあります。

ここまで見てきたように、現在そしてこれからのWebコミュニケーションを効果的なものにするためのキーワードの1つは「複製と創造性」にあります。
次回は、このことをもう少し考えてみたいと思います。
CGM時代の情報の複製と創造性(後編)へ


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