このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。
2005年10月11日
Blogによるアクセス数向上
マーケティングユニット 棚橋
今年の3月からはじめたこの「実践！Webマーケティング：Blog」も、先月9月までで7ヶ月間、なんとか続けることができました。
また、9月の1ヶ月間のアクセス数は、訪問者数で12,000強、ページビュー数で34,000を超えるほど、たくさんの方々に訪問していただけるようになり、ありがたく思います。
自分自身、こうしてBlogを書き続けながら、その効果の１つとしてのアクセス数を見ていると、一般によく言われる「BlogはSEOに効果がある」だとか、「Blogによる継続的なコミュニケーションはサイトのアクセス数を向上する効果がある」といったことが実感として感じることができます。
アクセスログ解析による月次のアクセス数を比較したグラフを見ても、ここまでの7ヶ月間、訪問者数もページビュー数も右肩上がりで伸び続けています。
ただ、このアクセス数の向上の中身をもう少し詳しく見ていくと、さらに興味深い事実がわかります。
先にも書いたとおり「BlogはSEOに効果がある」と言われ、実際、この「実践！Webマーケティング：Blog」でも、いくつかのキーワードがGoogleなどの検索エンジンで上位表示され、そうした効果によって検索エンジン経由でのアクセス数も右肩上がりで伸びています。
しかし、当Blogへのアクセスする際の起点別（ブックマークやRSSによるダイレクトアクセス、検索エンジン以外の外部サイト経由でのアクセス、内部ページからのリンク、起点が不明など）で、検索エンジン経由のアクセスの割合を月次で見ていくと、最初の3ヶ月間こそ、その割合が増えていくのですが、その後はほぼ一定の割合で推移するようになります。
もちろん、その間も実数として検索エンジン経由でのアクセス数が右肩上がりに伸びるのですが、全体のアクセス数に対する割合は3ヶ月経過すると一定化します。
その一方で、3ヶ月を超えたあたりから、むしろ、割合を増やしはじめるのが、ブックマークやRSSによるダイレクトアクセスの割合です。
つまり、リピート訪問者が増え始めるのです。
これは意外で新鮮な発見でした。
いや、頭では想像はついていたので純粋に発見とはいえませんが、アクセス数を伸ばし続けるためには、常に検索エンジン経由での訪問のきっかけとなるキーワードを増やして新規の訪問者をサイトに導かなくてはいけないと思っていたので、こんな風に実際にリピート訪問者が増えてくれることはあまり期待していなかったのです。
とはいえ、検索エンジン経由でのアクセスの割合とダイレクトアクセスの関係がこのまま続くかどうかはわかりません。
実際、10月に入り、YAHOO!の検索結果がウェブ検索に切り替えられた影響を受け、これまでより、YAHOO!経由での訪問数が増え、それにより、検索エンジン経由でのアクセスの割合もまた増え始めています。
いずれにせよ、こうしてあらためてアクセス数の推移をふりかえってみると、きちんとWeb標準準拠でつくられたきちんとしたWebサイトで、ユーザーの求めている情報は何かを考慮しつつ、コンテンツを継続的に発信し続ければ、必ずWebサイトのアクセス数は伸びるという、私たちの方法論は間違っていないのだと思いを強くします。
Blogという形態にこだわらずとも、Web標準準拠とユーザビリティを考慮した情報設計が行われたきちんとした基盤をもったWebサイトで、継続的かつ定期的にユーザーに向けたコミュニケーション、情報発信を行っていくことで、必ずアクセス数の向上は図れるはずだと思います。
もちろん、ビジネスに直結するWebサイトにするには、アクセス数を伸ばすだけでなく、さらに実際のユーザーの購買アクション（問い合わせ、資料請求、オンラインショッピングetc.）を引き出す価値あるコミュニケーションを実現できるかというもう１つの課題もあるでしょう。
それに関しては、また別の機会に考えてみたいと思います。
ぜひ、今後とも「実践！Webマーケティング：Blog」をご贔屓いただければと思います。
よろしくお願いいたします。
さて、次回は、「ロジックツリーとは」と題してお送りします。お楽しみに。
