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このコーナーでは、企業でWebサイトの運営に携わっている方、マーケティング部門等でWebの活用法について考えておられる方向けに、Webマーケティングの実践のための手法やノウハウ、事例をご紹介していきます。市場に出回る書籍や雑誌では論じられることない、Webマーケティングの最前線に触れていただければと思います。

2005年06月07日

調査・分析スキルとしての「聞く力」と「伝える力」

マーケティングユニット 棚橋

以前、「アクセスログ解析をいかに活用するか」でも触れましたが、調査・分析を行うのは、あくまでその後に改善計画を立て、改善施策を実施し、具体的な改善の成果を導きだすためです。

しかし、多くの調査・分析が「調査・分析する」ことそれ自体が目的となってしまったり、調査の仕方にばかり重きが置かれ、改善のための「洞察」をもたらす分析がおろそかになってしまっていたりするのを見ると、嘆かわしい気持ちになります。

「データ」と「情報」は異なるものです。「事実」としてのデータを収集するスキルとともに、収拾したデータを分析して有益な情報としての洞察を得るスキルはまったく異なるものです。もちろん、両者ともスキルであり、修練により身に着けることが可能な技術です。

これまでも何度かご紹介してきたように、私たちはWebサイトを使ったマーケティング・コンサルティングを行う際に、現状の事実を客観的に捉え、「あるべき姿」と「現状の事実」とのギャップの中に潜む問題解決策を抽出する、下記のようなサービスをご提供させていただいております。

その際、調査・分析の視点としては、下図のような3C分析を元としたシックスシグマのフレームワークを、「事実」を捉え、そこから「洞察」を得るスキルのベースとして用いています。

※シックスシグマのフレームワークを用いた現状把握について詳しくお知りになりたい方は、「インターネット戦略の構築法:現状の把握」を参照ください。

しかし、実のところ、こうしたスキルを得るのはしっかり学びさえすれば、それほど苦もなく身につけられるスキルです。
それよりも調査・分析を行う者にとって最も重要で、身に着けることがむずかしいスキルは、
「自分が何を目的として調査・分析を行うのかを正しく定義する」スキル
「クライアントおよびパートナーに対して、実行する調査・分析によって何がもたらすかを正しく伝え、合意を得る」スキル
の2つのスキルです。

シックスシグマのDMAIC手法で、プロセスの最初に置かれている「定義(Define)」を実際に可能にするのがこの2つのスキルだといえます。

まずは、「自分が何を目的として調査・分析を行うのかを正しく定義する」スキルについて。

調査・分析の際の「定義(Define)」というと、調査項目やアウトプットの話にばかり偏りがちです。
しかし、重要なことは「クライアントが何を目的として調査・分析を依頼してきたのか」、また「クライアントが実際、どんなビジネスを行っているか(主要顧客、コア・プロセスetc.)」などを、事前に、クライアントに対してヒアリングを行うことで、課題解決のために最適な調査項目を抽出し、そこからどのような分析を得ようとするのかを自分の中で整理することが可能になるまで、まず、調査・分析を行うにあたっての「現状把握」を行えるかどうかです。

実際、先日もあるクライアント様にヒアリングを行い、現在の「主要顧客」や「コア・プロセス」、「顧客のアウトプット欲求・サービス欲求」などについて情報をいただいてきたのですが、そこでも、ヒアリングを行う以前に私たちが想定していたものとは異なる「事実」をお聞かせていただくことで、はじめに想定していた調査・分析の視点では有効な洞察が得られないことを事前に把握することができました。
(具体的には、私たちが想定していた「主要顧客」と実際の「主要顧客」が異なっていたことが判明し、競合他社がどのようなコミュニケーションを行っているかを調査する際に、調査視点の変更が必要なことがわかりました)

このように調査・分析のための「現状把握」のためには、実際に調査・分析を行う者がどれだけクライアントの立場になって、「定義(Define)」のために必要な情報を得るためのヒアリングを行えるかという「聞く力」が必要になります。
ヒアリングのスキルとしての、事前の情報収集、ビジネスやマーケティングに関する基本的な知識、それから、何よりコミュニケーション・スキルが重要になるでしょう。

また、もう1つ、「クライアントおよびパートナーに対して、実行する調査・分析によって何がもたらすかを正しく伝え、合意を得る」スキルについて。

最終的にどんな「洞察」を得ればいいかを「定義(Define)」するには、後工程でその「洞察」を元に、マーケティング・プランを立て、プランを実際に実行し、プランの効果測定を行いながら管理を行う人たちにとって、有効なアウトプットとは何かを考え、そうした関係者と打ち合わせ、合意をとることも重要なことです。

一番はじめに書いたように「調査・分析を行うのは、具体的な改善の成果を導きだす」ことが最終的な目的となります。
調査・分析はそこに至るプロセスの1つですが、決して他のプロセスから独立した1つのタスクではなく、他と有機的につながっている必要があるタスクです。
全体のプロセスの中では、クライアントも、他のプロセスにおけるタスクを受け持つパートナーも絡んできますので、そうした人たちとの関係性をいかに保ち、プロセス全体を有機的につながっている状態にできるかどうかは、調査・分析を担当する人にも当然、関わってきます。

それゆえ、最初の「定義(Define)」の段階で、こうした関係者とのコミュニケーションを積極的に重ね、調査・分析においてどんなアウトプットが必要なのかを定義し、それを関係者が納得できる形で「伝える力」も、調査・分析を行う者には必要になります。

もちろん、こうした「聞く力」「伝える力」が必要なのは、調査・分析を担当する者だけに必要なスキルではありません。
ビジネスを行う者であれば、誰でも必要となるスキルではあります。

しかしながら、調査・分析という決まった形もなく、かつ、すこしむずかしい印象を与えがちなサービスを提供する者には、他のわかりやすい商品やサービスを提供する場合以上に、常に自分のことよりも他の人たちの仕事に対する繊細な気遣いをもった姿勢で、まわりとのコミュニケーションを重視しなければ、どんなに優れた調査・分析を実施することができてもそれが有効に活用される可能性は低くなってしまうでしょう。

私たちが調査・分析において重視しているのは、研究者的に「事実」としてのデータを収集し分析することではありません。私たちはあくまでクライアント様のビジネス全体を考えた上で、さらには、その後、私たちが実際に提供するマーケティング計画とその実行施策で成果を出せることを考えた上で、全体のコミュニケーションを重視した形で、調査・分析を進めることです。

前回、「定期的なアクセスログ解析による検証」でも書きましたが、マーケティングのPDCAを効果的にまわしていくためには、PDCAのそれぞれのプロセスに関わる関係者同士が一体となりながら、それぞれ自分のタスクを全うし、他の人のタスクをサポートする形でなければうまくまわりません。
「インテグレーション」と言葉にするのは簡単ですが、実際のインテグレーションを可能にするのは、いかに関係者相互の「聞く力」「伝える力」をベースにしたコミュニケーションを引き出し、全体最適化が可能な仕組みを作るかが最重要課題となるでしょう。

次回は、まさにこうした調査・分析の結果を元に立てるマーケティングプランの中で、具体的な施策の1つとしての役割をもち、かつ、現在のWebマーケティングにおいては競合他社との差別化を考える上で最重要な要素の1つともいえるWebマーケティングにおけるWebコンテンツの役割について取り上げたいと思いますが、こうしたコンテンツを生かすも殺すも、最初の調査・分析がどれだけ有効な「洞察」をもたらせるかどうかにもかかってきます。

ここまで書いてきたように、プロジェクトを進める上では、「調査・分析」「計画」「実行」という機能ごとに見ること以上に、プロジェクト全体の最適化を考えたプロセス全体の流れを重視することがさらに重要なことです。プロジェクトに関わる人間はすべてそうした全体の流れを常に意識することが何より必要なことでしょう。

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